※高校生現パロ。
設定は大体
この話と同じですが、設定が同じなだけで特に互換はありません。
ここは伊作と留三郎が同居しているアパートの一室。
そう広いわけではない部屋に、私、七松小平太を筆頭にお馴染みの六人が集まっていた。
と言っても別に必要があって集結した訳ではなく、用事があって部屋に来たやつもいれば、ヒマだから顔を出しただけのやつもいる。
文次郎と仙蔵は自宅通い、私と長次は寮住まいだから、オトナに邪魔される心配のないこの部屋は、何のかんのと集まるのに都合がいいのだ。
そんな六人でいつも通り、何をするでもなく各々まったり過ごしている時に、不意に伊作がこんなことを言い出した。
「あっ、そうだ、小平太の好みのタイプ聞いてもいい?」
どうやらクラスの女子から聞かれたらしい。留三郎が「小平太だけ?俺は?」と聞くのを「留三郎はいいや」と一刀両断している横で、私は腕組みして考える。
「んー?そうだなぁ……飯がうまくて、気があって……あとナイスバディなら言うことないな!」
言い切った瞬間、四人が一斉に同一方向に目をやった。
私もつられてそっちに視線を向ければ、長次の寝てる姿がある。さっきまで文次郎と教科書を見ながら何やら話していたのだが、飽きて寝たらしい。留三郎のベッドに横になっているその周りには、留三郎が委員会の後輩から貰ったとか言っていたぬいぐるみが何体か、長次を見守るように置かれている。こういうことをするのは仙蔵だろうか。
長次はよく寝る。行動の八割方は本を読むか寝ているかだ。夜更かしして本を読むから昼間眠くなるんだと思う。
夜寝て、昼間本を読めばいいのに。そういつも思うが、それが長次なので特に注意したことはない。昼間は私も長次と遊びたいし。
そんなことを考えつつ皆で寝ている長次を眺める儀式っぽいものに何となく参加していたら、仙蔵がくりっとこっちに顔を向けた。何故かその顔はやけにイイ笑顔だ。
「……つまり、長次と付き合いたいということか?」
「は?長次は男だろ」
まあ確かに料理はうまい。ご飯を作らせればお袋の味がするし、甘いものは作るのも食べるのも好きみたいだ。私もよくお世話になっている。
さらにちっちゃい頃からの幼馴染みなので、私が多くを言わずとも長次は察してくれるし、逆もそうである。
高校に入り寮で同室になってから一緒に過ごす時間はより増えたし、両親より長次の方が私の事をよく分かっているかもしれない。
あとまあ、確かにイイ体はしている。学年で一番背が高いのは勿論の事、本の虫な割に、私の筋トレにたまに付き合うからか、付くところはしっかり付いている。甘いもの大好きだから、筋肉質と言うよりはちょっとムッチリしてるけど。
「条件は完璧に満たしているだろう?」
でも、伊作の聞いたタイプってのは、女の子の好みの話じゃないのか?
そう思って伊作を見れば、酷く曖昧な笑顔が返ってきた。どっちなんだ。
「う~ん、長次におっぱいがあったら、とは思うけど……」
私は皆の間を通り抜け、長次ににじり寄る。膝で立ち、長次の顔を覗き込んだ。長次はすややかな寝息をたてて寝ている。
伏せられたそのまつ毛は長いなと思うが、長次は男らしい、精悍な顔をしていると思う。
通った鼻筋に、薄い唇、彫りの深い顔立ちに、特徴的な頬傷。
その男らしさを親友として我が事のように誇らしく思うものの、女子っぽい要素は見付けられない。
起きていれば起きていたでまた少しは違うかもしれないが、今の今まで私はそんな目で長次を見た事はなかった。
「ちょうじ、長次!」
「………ん…」
声をかけると、うっすらと瞼が開いた。
「……なに、こへ……」
「うん、ちょっとな!」
私はまだ半分寝ている長次の顔に、自分のを寄せてみる。そんで、勢いで唇も重ねてみた。
長次は一瞬ちょっとだけ目を開いたが、文句を言うでも、私を押し退けるでもなく受け入れる。
試しに重ねた薄い唇を舌で舐めてみたら、長次の口も僅かに開いたので、そのまま咥内まで差し込んで舐める。上顎を舐めたら長次は小さく息を洩らしたが、反応はそれだけだ。やっぱり拒まない。
擽るように長次の舌を撫でてみたら、応えて絡めてくれる。私の分の唾液も飲み込んで軽く吸われると、ぞくりと背筋が震えた。
ちゅ、ちゅ、と時折立つ水音がやけに耳に届くなと思って口を離して周りを見れば、私たち以外の四人は、皆ポカンと口を開けた間抜け面だった。
「……もういいか?」
長次の問いに、私は頷く。
「あぁ、起こしてすまん!」
長次も小さく頷き返して、また元通り目を閉じた。
「………………えっ、なに今の」
一番最初に言葉を発したのは留三郎だった。
「うん?だって、付き合ったらちゅーくらいはするだろ?長次と出来るかなって思って。楽勝で出来たな!」
「出来たな!……ってオイ!そうじゃねぇだろ?!」
「つうかこのすごい慣れ切った感満載の流れで、今のが初めてだって事にビックリだよ」
「やっぱこいつら意味わかんねぇ……!」
何故か動揺する文次郎、呆けた表情のままの伊作、頭を抱える留三郎。
三者三様の反応を見せてくれたが、何がそんなにおかしいのか私にはよく分からない。
そんな中、仙蔵がさも真剣そうに取り繕った顔(完全に面白がっている時特有の顔だ)で私にこう聞いてきた。
「待て小平太……お前、付き合うのにキスだけで満足できるのか?」
「…………言われてみればそうだな、なぁ長次、」
「ちょっと待て!俺の部屋でこれ以上の事をする気なら出禁にするぞ!」
もう一度長次を起こそうとした私の手は、顔色を真っ青にした留三郎に掴まれて阻まれてしまった。
* * * * *
あれから数週間後。
私は寮の自室の、長次のベッドの前に座り込んでいた。
そんな事があった事さえもすっかり忘れていたのだが、また今日も昼寝している長次を見て、あの時何をしようとしていたのか思い出したのだ。
ここにいるのは長次と私の二人だけだ。点呼以外で私たちの部屋に訪れる者は滅多にいない。今なら誰に止められる心配もない。
私は寝ている長次のお腹に乗っかった。
まどろんでいただけだったのか、呼び掛けるまでもなく長次の目が開く。
「……なんだ……?」
「いやいや、ちょっとな!長次は寝てていいぞ!」
そう返せば、長次は素直に目を閉じた。
私は長次のシャツをぺろっとめくってみる。女の子のおっぱいとは違うが、ほんのり盛り上がっている長次の胸に触れてみると、弛緩しているからか柔らかく思えた。
緩やかな頂にある小さな乳首を指先でつついてみる。
ツンツン、ツンツン。
幾度かやっていると、固く尖ってきた。
「……ん、…………」
寝辛そうに逸らした長次の首筋がなんだか美味しそうに見えたので、口を寄せて舐めてみる。
「………………小平太……」
長次は眠いのか、目を開けない。でも、ちょっと困ったように私の名前を呼ぶ。
「私の事は気にするな!」
そう言いながら相変わらず首筋を舐め、つついていた乳首を軽くつまんだら、長次が薄く目を開けて私を見た。その眉根は困惑の形に寄せられている。ため息も出た。
「今度は……何の遊びだ……?」
長次の昼寝の邪魔をしたい訳ではなかったのだが、どうも気になって眠れないらしい。
私は長次の乳首から手を離さないまま、でも敵意はないと伝えるために、満面の笑顔でこう答える。
「いやぁ、私、長次で勃つかなって思って!試してるトコだ!」
すると長次は緩く首を傾げてみせた。
「…………もう、勃ってるが……」
言いながら、長次の指先が私の股間に伸びる。布地の余りではないことを確かめるように軽く撫でられたそこは、確かにしっかりと盛り上がっていた。
「おぉっ、ホントだ!」
「……重いから、退いてくれ…」
長次の手は直ぐに引っ込んでしまったが、撫でられた感触が余韻のように残っていて、なんだか物足りない気分になった。
もっと撫でてほしい。でも昼寝の邪魔をしている手前、長次にやってもらうのはちょっと申し訳ない気もする。
「ついでにイケるか試させて!」
退いてくれ、という言葉は無視し、私はハーフパンツを擦り降ろして、自分のモノを取り出し握り込む。
長次はまた一つため息を洩らし、目を閉じた。これは(諦め混じりの)同意だ。好きにしろ、というお許しが出た。
なるべく長次の睡眠の邪魔にならないように、と自分に言い聞かせながら、握っていない方の手をそっと長次の胸に滑らせる。
「……っ、………ん…」
私に出来る限り、最大限優しく触れているつもりだが、やっぱり長次は反応してしまって、時折小さく身を震わせ、吐息を洩らす。
これじゃ寝るどころじゃないだろう、ごめんな。と思いはするのだが、私の手は止まらない。
じわじわと熱が上がっていくのを感じる。私のちんこは勿論だが、長次の肌も、だ。
生身の反応を眺め、肌で感じながらの自慰は、一人でやる時と全然違った。今までいくらでも機会はあったというのに、どうしてやらなかったのか自分を小一時間問い詰めたくなるくらい興奮する。
触るのが片手だけなのがもどかしくなって、私は空いている乳首に口を寄せた。舌で突起を撫でれば、長次の体がヒクリと震える。
長次も気持ちよくなってくれれば、嬉しい。ついでにまた私のモノも撫でてくれたらもっと嬉しいんだけど。
そんな事を考えてたら、長次の目が薄く開いて私を見た。
ほんのりと赤味を増した頬。いつもより少しだけ潤んで見える瞳。薄く開いた唇から洩れる微かな吐息。
それら全てを認識した瞬間、ゾクゾクと背筋に震えが走る。
「…な、長次、起きてるなら手でしてくんない?」
「…………」
寝かせてくれないのは何処の誰だ、と言いたげに長次は少し眉根を寄せたが、文句を口から吐き出す事はせず、布団に投げ出していた手を私の股間に持っていく。
人差し指の腹でもって下からなぞるようにつつっと触れられ、その心地よさに思わず私はうぅ、とくぐもった声で唸った。
やっぱり長次に触られると気持ち良さが違う。段違いだ。
長次はそのまま私のモノを握って、ゆるゆると扱き始める。長次の手は大きい。包み込まれるその温さがたまらなくイイ。
しかも両手が空いたので、これで思う存分長次の事も触れる。
片手は長次の胸に触れたまま、もう一方を長次の脇腹に滑らせ、更に乳首にも吸い付く。完璧だ。あともう二三、ちょっと強めに擦ってくれたら私はもう、もう…
そこまで考えたところで、長次の手がパッと離れてしまった。
エッ、ナンデ!?と驚いて顔を上げたら、さっきまで私を優しく扱いてくれていた長次の手が、私の胸をぐいと押した。
「待って!もうちょい!もうちょいでイケそうだから!もうちょっとだけ!!お願い!します!!」
こんな状態で寸止めなんて、耐えられない。生殺しだ。
涙目で懇願する私に、長次はゆるりと首を振る。
「……そうじゃなくて、……」
「ん?下がるの?こんくらい?」
私は長次のお腹に乗っていたのだが、太股まで下がるように手振りで示される。言う通りに下がったら、長次が片膝を立てた。その下に足を入れるよう指示され、互いの太股が絡む形になる。
そうしてから長次は自分の股間もくつろげて取り出すと、長次のと私の、二人のイチモツが重なるようにする。
長次のも、もうすっかり硬くなっていて、触れ合った場所から伝わるその熱さと、少し擦れるだけでヒクヒクと反応する様子から限界の近さが窺える。
そうか、そりゃそうだ。長次だって感じてたみたいだし、こうなるよな。私だけ気持ちよくなるのは確かに不公平だ。
つか、良かった。もうヤダとか言われなくて本当に良かった。
意図を理解した私は長次がやりやすいように場所を合わせてやる。片手で二人分では安定感が足りないらしく、長次はもう片方の手も使って二本を握り込んだ。
両の二の腕に圧迫された胸が寄せられて、ささやかだった丘が少しばかり丸みを増した。
もうこれ、おっぱいでいいんじゃないかな。いいと思う。っていうかおっぱいだよね。うん、おっぱいだ。
と、興奮に煮えた頭が思うより先に、私はそのおっぱいに顔を埋め、揉みしだいていた。
「…っ……は、……ぁっ」
ピンと立った突起を舌でねぶって、反対側も指でぐりぐりと刺激してやれば、長次から微かに甘い声が洩れる。その初めて耳にする音に私の興奮は最高潮になって、もう、目の前の長次の事しか考えられなくなる。
息が上がって酸素が足りない。腰が勝手に揺れて、快楽に震えながらも刺激してくる長次の手の平も、重なった熱いモノも、まとめて一緒に突くように擦り上げる。
「…んっ、…ぅ…っ」
絡んだ長次の太股がビクンと大きく震えた。続いて長次の体もブルリと震え、長次の手の中で、長次のモノが跳ねた。
尖端から勢いよく白濁が溢れ、長次の手と腹を汚していく。
幾度もヒクヒクと震えるその振動は私にも伝わって。
「うぅ……も、わたし、も、……っ!」
「…っぁ………」
追いかけるように私も、長次の腹に全てを吐き出す。
勢いが良すぎて胸の方まで飛んでしまっていたが、そんなコト気にならないくらいの解放感と快感に、私は恍惚としたため息を吐いた。
「はぁっ、…はぁ~…、すっげ、きもちいい…」
長次は言葉もなくくたりと体を投げ出していたが、きっと同意見だったろう。上がった息を整えるように何度も深く呼吸しているその吐息が、心なしか甘い気がする。
呼吸が落ち着いてきた長次がベッドサイドのティッシュボックスに手を伸ばしたが、僅かに届かなかったので代わりに取ってやった。腹に散った二人分の残骸を拭って屑籠に投げ入れたら、服を直していた長次がぽつりとこう言った。
「……満足、したか…?」
満足なんてもんじゃない。大満足だ。
私は笑顔で大きく頷き返した。
「おう、寝てたのにすまんな!」
「………ん」
長次も頷いて、少し身じろいだかと思うと、私の分の寝る場所を空けてくれた。私はすぐにそこへ寝転がる。
二人とも大きくなって、一つのベッドで寝るには狭くなってしまったが、くっついて寝ていればまだまだ大丈夫だ。
長次はすぐに眠りに落ちて、すややかな寝息を立て始めた。
* * * * *
「…って訳で、長次で抜けた。ってか、抜いてもらった!」
次の日。
さっそく他の四人にそう報告したら、何故か全員飲んでいたジュースやらお茶やらを勢いよく噴き出してしまった。伊作がびしょぬれで可哀想に思ったが、まあそれはいつもの事なので取りあえずは気にしないでおく。
「だから私、長次を嫁にしようと思う!」
続けて高らかに宣言したら、皆真っ青になって頭を抱えてしまた。
唯一仙蔵だけ、とても優しげな笑顔で
「仲人は是非私に任せてくれ」
と祝福してくれたのだった。
おしまい!
* * * * *
さらにしばらく後、同級のみならず下級生や他校から七松の嫁と言われてキョトン顔(∵)する中在家先輩。
そして七松に「こないだからお前の嫁って言われるんだけどナンデ?」って聞いてみたら合体する事になってしまう中在家先輩。
まで考えていたんですが、時間切れなので打ち止め。